−菊丸の冒険−

ゲームオーバー


「話してみてよ」

軽い気持ちで聞いてみたのが失敗の元でした。

「よくぞ聞いてくれました! 少し前にね、綺麗な魚を見つけたんですよ、高く売れそうな魚。喰えそうにもないからペットショップに売り飛ばしたんです。

そしたら魚の飼い主っていうか、捜していたという婆さんに、杖でボコボコに殴られましてねえ」

じわっと眦に涙を溜めて、語る口調がどんどん熱く激しくなっていきます。

「どうにかして魚を無事に連れ戻せ、それが出来ないなら・・・って、莫大な慰謝料を求められましてね。

魚は既にショップからも売れた後だし、見つけるなんて無理なんですよぉ。でも、そんなこと言ったらまた、杖で殴られまくるに決まってるんでさあ。

必死に借金を返すために働いてるんだ。同じ魚が釣れたらそれでよし、ダメなら今日の晩飯にと頑張ってるんだが釣れやしないんだ。それでね・・・」

溢れる愚痴は止まる気配もなく、菊丸たちも話を打ち切るタイミングも見逃してしまいました。

気がつけば、日は暮れ、すっかり夜になってしまい黄金のラケットを捜しに行くことは出来ませんでした。

ED 26 「愚痴」
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