−菊丸の冒険−

「黄金のラケットだといいんだけどね」

期待するような口ぶりで菊丸が言います。

「あははっ。こんなに小さくちゃ、ラケットだとしても使えないよ」

不二が声を立てて笑った拍子にパキリと乾いた音がしました。

「・・・しまった」

つい手に力が入ってしまったのか、その白い石は不二の手の中で粉々に砕けてしまっていたのです。

「怪我しなかった?」

心配そうに不二の手を見つめる菊丸に不二は穏やかな微笑を浮かべて見せます。

「大丈夫だよ。それにしても、こんなに脆い石だとは思わなかった。ちょっと残念だよ」

「そんなに簡単に壊れる石なら、それほど重要なものじゃなかったんじゃないの?」

「そうだね。それじゃ、そろそろ先に進もうか」

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