−菊丸の冒険−

「やだ。ぜーったい離れないもんね!」

菊丸は涙声で叫び返すと大石に強くしがみつきました。

「英二・・・」

戸惑ったような、困ったような表情を浮かべてから、大石もすぐに菊丸を抱き返します。

2人は湖に呑み込まれました。不思議と苦しくありません。

ふと気づくと、長い黒髪の美女が大石の腕に縋りついていました。

・・・誰?

『私は敵に滅ぼされた水界の姫。身を守るために魚に姿を変えて人間界に隠れていたのです』

頭の中に直接、静かな女の声が聞こえてきます。


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