−菊丸の冒険−

「俺まだ、あんたのこと好きじゃないもん」

菊丸が拒むと、王は少し悲しそうな表情をしましたが、すぐに優しく微笑みます。

『残念ですが、無理強いをするつもりもありません。ですが、それならばこの水界にいてもらっては困りますね』

「英二!」

王の拳が銀色の光に包まれ、それが菊丸に近づいていくのを見て取った大石が顔色を変えて駆け寄ってきました。

『さようなら地上の民よ。ここでのことは総て忘れて、お眠りなさい』

大石が菊丸を腕の中に庇ったのと、王の拳から発せられた銀の光が二人を包んだのは、ほぼ同時のことでした。

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