−菊丸の冒険−

「ご、ごめんよ。そんなに驚くと思わなくて」

菊丸はオロオロしながら姫に頭を下げました。

『いいえ・・・そんなこと、もうどうでもいいわ』

姫は夢見るような瞳でピトッと王にしなだれかかります。恋する女の表情をしていました。

『こんな素敵な方は初めて。私こそ妃に相応しいと思いませんこと? 愛していますわ』

先ほどまで大石にベタ惚れだったくせに、そんなこと姫はすっかり忘れているようです。

『あなた方はもう地上にお帰りになっても宜しくてよ。ここでのことはお忘れなさい』

姫がニッコリ笑って閃光を放つと、菊丸と大石の意識が遠のいていきます。

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