−菊丸の冒険−

下り階段のようになっている隠し通路を進むと、陽の光が降り注ぐ洞窟外に出ることが出来ました。

まぶしそうに目を眇めながら、2人は周囲を見渡します。

周囲は、ほぼ岩壁に覆われた楕円形の庭園程度の広さです。足元には草花が絨毯のように茂り、すぐ正面には自然石で設えた祭壇が見えました。

「あれは・・・黒百合?」

祭壇には、鮮やかな緑の茎と葉を誇らしげに風にそよがせる、一輪の植物があります。

植物は下に向かって花開き、その色は茎の緑とは対照的に沈んだ黒色をしていました。

「黒百合は高い山に咲く花のはず・・・どうして、こんなところに」

不二も、呆然と花を見つめました。

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