−菊丸の冒険−

悪戦苦闘している姿を眺めながら、ポツリと手塚が呟きました。

「あれでは、いつまで頑張っても釣れまい。餌のつけ方も竿の振り方も全然ダメだ」

「えー。かわいそうじゃん。助けてやれば?」

菊丸と手塚の会話に気づいた人影が、驚いて振り向きました。

鼻は大きく、耳は少し尖っています。背丈は低くて童話などに出てくるゴブリンの姿に似ていました。

「あんたたち、魚が獲れるのかい? どうしても必要なんだよ。助けてくれるんなら聞くも涙、語るも涙の話をしてやるぞ?」


話だけは聞いてやる。

話を聞くより手伝ってやる。

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